今を生きよう〜寂しがり屋のひとり好き〜

自身のワークライフ、メンタルヘルス、今までとこれからの英語学習について。

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下垂体腺腫という病気

2023年1月4日、私は車に轢かれた。私は自転車に乗っていた。 私が信号を見誤って、交差点を飛び出たところを左側から轢かれた。

受け身をとって道路に転がったおかげもあり、幸い大事にはならなかったが、念の為救急車で最寄りの病院で検査してもらった。

頭の打撲があったので、MRI検査を受けたところ、打撲のたんこぶ以外に、頭の中心に出来物があると言われた。

動脈瘤の恐れもあるとのことでさらに詳しく調べたところ、下垂体腺腫と呼ばれる物である事がわかった。

長さ2センチと小指の第一関節ほどの大きさで、視神経の下から首の後ろ側へ伸びており、成長すると視神経圧迫による視野欠損、摘出手術する時に他の血管や神経を傷つけるリスクが大きくなる事など説明を受けた。

今すぐ摘出しなくても影響はないが、時間が経つにつれリスクが大きくなるのであれば、今見つかったのも意味があることだと考え、手術をする事にした。

何回か画像検査、ホルモンの検査を行い、8月14日に入院、15日に手術をした。

手術前は多少の緊張はあったものの、映画First Slam dunkのオープニング曲、The BirthdayのLOVE ROCKETS が頭に流れていて、よし来い!と意気込んでいた。手術室までの道中も、看護師さんと笑顔で話しながら向かった。 手術室でスタンバイして頂いていたスタッフの皆さんに挨拶をして、ベッドに横になった。 色々な管をつけられて、脳神経外科の先生が到着するのを待つ。 麻酔も、脳神経外科の先生が来てからでないと打てない様で、しばらく待機していた。 「脳外の先生到着されました!」の声を聞いて、宜しくお願いしますと言おうとしたところで記憶がばっさり無くなった。麻酔って恐ろしい。

肩を叩かれて目が覚めると、ちょうど手術が終わったところで、脳神経外科の先生が私に呼びかけていた。

「下垂体腺腫だったよ!無事取れたよ!念の為バルーン入れて押さえてるから!背中から髄液を…」

というところまで聞いて、ガラガラとGHCU(General High Care Unit)という部屋に運ばれて、1日を過ごす事になった。 手術室に朝9時に入り、終わったのが14時、約5時間という事で、標準時間での手術だったが、ここからが地獄の始まりであった。鼻から喉へとめどなく落ちてくる血と髄液。溜まっては出し、溜まっては出しの繰り返し。そこへ空腹状態が祟ってか、逆流性食道炎の猛烈な痛さと、持病のヘルニアが同時にやってきた。逆流性食道炎の痛さは過去最大級、ヘルニアは平時でも辛いのに、絶対安静で微動だに動けないとか、もう拷問でしかない状況。 とりあえず、看護師さんに胸と腰が痛い旨を伝えて、体を少し浮かしたり捻ったりしてもらうものの、数分後には元通り。痛み止めの点滴を打ってもらうも、ほぼ効かず。夜だからシップ貰えないし、とにかく早く時間が過ぎて欲しいと願うばかり。

そうこうしながら、体の状況を観察しているモニターの時計に目をやってみると、凄く長い時間耐えたと感じていたのに、なんという事だろう、まだ15分しか経ってないじやないか! 悪魔の時間。そう呼ぶに相応しい感覚。 それでも必ず朝はくる!と自分に言い聞かせ、虚ろな目を天井に向けるのだった。 何とか朝まで全く寝れない時間を乗り越えた。 本当に気が狂いそうだった。

朝になって、一般病棟に戻れる事となった。周りが騒がしくなり、いつもの病院の活気が出てくると少し心が落ち着いた。 周りが動いていると気がまぎれるものだ。腰の痛さも胃の痛さも分散され、時間が経つのも早く感じる。 個室に1人で、拘束されて痛さに耐えるのはやはり普通じゃない状況であったと改めて感じた。